曲に感動して作曲した川口進さんに電話しちゃいました――最初に挙げていただいた作品は『けいおん!』ですが、これはどのような理由からでしょうか? eba これは僕が音楽の仕事をするきっかけとなった作品です。僕は富山県南砺(なんと)市の生まれで、当時、新作アニメがほとんどと言っていいほど放送されない地域でした。見たかったらレンタル店に行って借りるか、ケーブルテレビしか視聴方法がなかったんです。なので、『けいおん!』も、そんなレンタル店でたまたま手にした作品でした。高校を出て就職したての20歳の頃でしたね。で、見たらもう、メチャメチャ泣いちゃいました。「俺はこれをやりたかったんだよ!!」って感じで(笑)。 ――それはどんな思いからだったのでしょう? eba 音楽って、僕の人生にとって二次元と同じくらい大事な幹なんです。中学生の頃から始めたのですが、その二次元と音楽の両方が、ものすごいクオリティで融合している作品に初めて出会えたと感じました。というのも、地元の音楽人口がとても少なくて、音楽活動をしている子なんて学校にほぼいなくて。理解がある人も少なかったですし、僕は子供の頃に病気がちだったこともあって、普通の人と同じ生活ができなかったので、『けいおん!』の世界は「やり逃した青春」に見えたんです。 ――かわいい子たちのゆるふわな学生生活も魅力ですが、ebaさんにとっては、あの作品の「音楽」という要素にも惹かれたわけですね。とくに心に響いた楽曲は何でしたか? eba Tom-H@ckさんが作曲された『Cagayake!GIRLS』も衝撃的でしたし、『ふでペン ~ボールペン~』も心をつかまれました。明るいんだけれども、泣ける曲で。音楽制作において、明るい曲調で泣かせるというのはとても難しく、まさにそれを体現している楽曲だと思いました。それで、これを書いている人はどんな人なんだろうと思って調べたら、川口進さんという方で、しかも同じ富山県の別の市に住んでいるということがわかったんです。富山は音楽があまり盛んではないので、そんな方が『けいおん!』の曲を書いているとわかったらこの感動を伝えたくなって、いても立ってもいられずに川口さんに電話してしまったんです。 ――なんと行動的な(笑)。 eba 今、振り返ると完全にヤバいですよね(笑)。僕はメタルが好きで、なかでもEquilibrium(エ
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