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「そんなうまい話が、本当にあるのか?」
——NHK・大河ドラマ『どうする家康』の制作統括を務める村山峻平氏は耳を疑った。
2021年初頭、大河ドラマの制作にバーチャルプロダクションを全面的に導入するという提案が演出統括の加藤 拓氏から持ち込まれたときのことだった。
大河ドラマの前作、『鎌倉殿の13人』でも、LEDウォールを用いたバーチャルプロダクションは部分的に用いられていた。
だが、今回はロケ撮影はもちろん、屋内セットにおいても全面的にバーチャルセットへの転換を図る。
これにより、長らく抱えていた大河ドラマ制作における諸問題も一度に解決するという。
「VPを導入するということは、従来のオープンセットを造らないと決めること。その時点でスケジュール的にも、もう逃げられない」。
村山氏に決断の時が迫ってきた。「どうする——?」
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